時を越えて愛せるもの
物心がつく前の幼い頃から
手を動かしてものを作ることが無性に好きだった
ものづくりに没頭している
あの、静かな時間にのみ存在する
心の中の空気が
もしかしたら好きなのかもしれない
お気に入りのリネンで作る
お洋服やバッグ達
籐で編む籐籠
木のパズルや小箱
ガラスの置物や
革小物たちの数々
最近、増えつつある陶器の器たち
…
今、手元になくても
作ってきたものは
一つ一つ思い出すことが出来るし
作ってきたものを眺めていると
そのときの情景や感情が一気によみがえる
作るというそのものの作業自体も楽しいけれど
作っている間に夢を膨らませて
物静かにわくわくしている時間は、この上ない
こんな風にして、丁寧に、ココロを込めて作ったものは
時を越えてずっと愛しく感じられる
眺めていても、使っていても
ただ触れているだけで、満たされる
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週末は、小学校の同窓会があった
みんな、大人になったけれど
小学生の頃から何にも変わっていない
こんな風に、何年たっても
変わらずに、関係をみんなで大切にして
慈しむことが出来るということは
本当に、愛しいことだと思う
一つ一つの想い出は
普段、心の奥底に大切にしまわれているものだけれど
温かく積み重ねてきた感情は
一人一人の笑顔を見ているだけであふれ出してくるし
みんなで想い出の小箱を引き出しあうだけで
何十年も前の感情に引き戻される
新しい時に向かって前へ、前へ進むことも楽しいけれど
時々、こんな風にして
一人では戻りきることのできない“あの頃”に
“あの頃”に戻ることの出来る掛買いのない仲間と
“あの頃”を分かち合えるということは
矢張り、この上なく、有り難いことだと思う
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全てに通ずることは
丁寧に、ココロを込めて関わりあえるものと
わくわくしながら、この瞬間を真面目に向き合うことが
どれだけ、何気ない日々や
人生の豊かさをつくりだしてくれているかということ
時を越えてずっと愛しく感じられる
そんな、掛買いのないものを
そんな、掛買いのない関係を
ずっと、ずっと大切にしていきたい